>>743※ここまで。連投すまん。
「はぁ…」
「どうした、阿部?」
「…すっげー嫌な夢、見た」
朝連後、水飲み場で顔を洗っていると花井が心配そうに話しかけてきた。
その日は大変目覚めが悪く、自分でもわかるくらい真っ青な顔をしていたから気になったんだろう。
「どんな夢?」
「…なんかこう、戦時中みたいなとこで…いや、それは別にどうでもいいんだけど」
「はぁ?」
「とにかく最悪なんだよ…もう死にてェ」
「だからどんな夢見たんだよ?」
突きぬけるような青空が眩しかった。飛び散る水滴がキラキラ光って虹色に輝く。
こんな爽やかな朝なのに、あの寝起き時の絶望的な気分を思うと泣けてきた。
「……三橋のパンツ嗅いでオナってた」
「うわ、マジかよ…」
「マジ」
「そりゃ、まぁ、なんだ…ご愁傷様」
「それだけじゃねェ。朝起きたらパンツが…」
「やめろ。…それ以上は聞きたかねェ」
「そうか」
オレの顔色が移ったかのように、花井も青ざめていくのが面白かった。
いくらなんでもこんな話聞かされるとは夢にも思ってなかっただろうに。少し可哀想なことをしたと思う。
「なぁ、阿部」
「何?」
「お前まさか、本物の三橋もそういう目で見てんじゃねェだろうな?」
「んなわけねェだろ、気色悪い」