※ピョア注意エロなし注意
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1199468827/883 「お前の舞うシズカゴゼンは実に…なんだ?」
「じ、実に…スバラシイ って」
「本当にそう言われたのか、三橋?」
「…う ん」
お昼休み、オレは田島君と泉君に昨日見た夢の話を思い切って打ち明けることにした。
一人で胸にしまっておくにはとても後味の悪い夢だったから。
―ちろちろと蝋燭の揺れる秘密の部屋で、節くれだった指が煌びやかな衣装を剥いでいく。
オレは抵抗どころかむしろ誘うようにその二回り以上も年の離れた男を見つめ、後はされるがまま…
(嫌だ、やめてくれ!)
思い出すだけで吐き気がする。もうこの話はやめよう。
「もっ いい…よ ただの夢 だ」
「でも、夢ってなんか意味があるって言うぜ?」
「だよな!…ところでシズカゴゼンってなんだ?」
「あれだ、あれ。平安時代の…」
熱心に考察を続ける二人に、なんか申し訳ない気持ちになってくる。
ただの夢だろうと笑い飛ばしてくれればそれでよかったのに、思いのほか話が大きくなってしまった。
オレの話はもういいからもっと違う話をしたいよと、祈るように心中で呟く。
ふと、廊下に視線を移すと移動教室が長引いたのか7組の生徒達が横切っていくのが見えた。
(…あ)
あえて探そうとしなくても、引き寄せられるかのように焦点が一つところに定まる。
―『あの化け物を殺せ!!』
夢の中の男が、最後に叫んだのはこの言葉だった。