阿部はチンコをしまうと、ほら行くぞ、とさっさと出発しようとした。
三橋のおおきく膨らんだ股間は全く無視している。
「あ、阿部、くん……」
大好きな阿部の臭いに囲まれて、酔った様な目つきをしながら、媚びた声で名前を呼ぶ三橋は、
その自分のチンコを揉みしだき、どうかイかせて欲しい、と言わずして訴えている。
だが、阿部はふうむ、と顎に手をやり考えたかと思うと、駄目だ、と言下にはね除けた。
「勃起させたまま帰れ」
「なん、で」
「その方が、オレの精液に興奮してるってみんなに知ってもらえるぜ?」
ニヤニヤしながら言えば、ウヒッ、という笑いが漏れる。
「三橋はオレのだもんな。オレのザーメンでチンコ勃っちまうんだもんな?」
「うん!」
「じゃあその姿も見てもらおうな」
そんなんで良いのか、とつい詰問したくなったが、実際三橋はそれで良いらしく、
大人しく股間を膨らませたまま、阿部に従って動き始める。
乾き始めた精液の臭いは、真に不快だった。
しかし、阿部の話術には、ほうっと感心させられる。
確かに変態だが、三橋の身体そのものには一切負担が掛かっていない。
成る程三橋の欲求は、まず何よりも自分と阿部とを結びつけたいというものだから、
工夫さえすれば、毎回三橋の穴にハメなくても済む訳だ。
こんな風にして、阿部は、三橋を少しずつ調教していった。
小便飲ませてとせがまれれば、代わりに練習後に顔を洗う時、トイレに連れて行って小便で顔を洗わせるし、
穴に挿れてとおねだりされれば、代わりに部員の前で汗まみれの足を舐める位は平気でやった。
とにかく三橋の阿部占有願望を満たせるのならば、三橋にさえ負担がかからないなら、
変態扱いは甘んじて受けようと、そう決意していた様だった。
尤も阿部自身の性癖も入ってはいただろうが。
三橋の蒸れた靴下を、田島の好奇の目に晒されながら、口で引っ張る阿部の練習着は、酷く張っていたのだから。