609 :
S×M:
三橋は天性のマゾヒストだ。
16歳の高校球児で、しかもエースナンバーしょってる奴が、意外にも華奢な体してるって
一体どういうことだよ。
しかも三星時代のいじめ経験が基になってるせいか、弱気で卑屈で妄信的に
俺の言葉を絶対視している。
なんつぅか、俺が本当に目指しているのはバッテリーとしてのコミュニケーションを
円滑に行うことであって、俺の意見を押し付けるつもりではないんだ。
そんな風に思っていた時期も(ry
丁度都合のいいことに俺は自覚する限りではかなりのサディストだ。
昔組んでいた、アホみたいに自己中な投手には、
「おめぇって、すっげーマゾだな」
なんて思い出しても虫唾が走るようなことを言われたりもしたが、
あいつの少ない語彙では、俺の練習熱心さや負けず嫌いな様を
表現することができなかっただけだ。
そういうのはな、ストイックっていうんだよ。覚えておけ、榛名。
ついでにいえば、俺の嗜虐心は、ほぼ三橋限定で最大限に発揮される。
そこにきてあいつがマゾだっていうんなら、これ程いろんな意味で相性のいい
バッテリーはそこそこないだろ?
SMのSはサービスのS、SMのMは満足のM。
合宿の夜モモカンが言った言葉を俺が完全に理解したのは、
三星戦前、あいつが元チームメイトといざこざがあった後
三橋のために何かしてやりたい、こいつのイイとこ全部引き出してやりたい、
ってそう思ったときだった。
−それが、サービスのSか!!−