三橋の口唇「優しく触って」

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25エビフライ三橋御膳かもしれない
昼の仕込み準備前、つかの間の団らん。遅めの朝食をつめこみながら俺は今日のメニュー表を眺めた。
朝は一汁一菜に漬け物を添えた和定食、塩鮭にだしまきと大根おろしを合わせた朝粥定食が人気だ。
もちろんトーストにスクランブルエッグやレタスをつけた洋定食もあるが出る数はそれほどでもない。客層の問題だろう。
よそったご飯の上に冷蔵庫から頂戴した明太子を乗せただけの朝食を味わいながら、準備しかけていた昼用の食材を見ていた。

「ご はん、おいしいです かー?」
「おお、うまいよ」
「いっぱい食べ て、お昼もがん ばって、ください」

ワカメとネギを放り込んだだけのみそ汁をずずずと飲みながら、おお、と気のない返事を返す。
今日の昼、俺の担当は揚げ物だからこのエビも揚げなきゃならない。
情が移らないよう、パン粉まみれでこちらを見ているエビから目をそらした。


出勤する俺らがんばれ超がんばれ