ルリ「レンレンきっちりしなさいよ!」

このエントリーをはてなブックマークに追加
165fusianasan
田島君考える
注意 田島が黒い

「どーした?こんな時間に」
家の前にチャリ止めて、近くまで歩いて行くと三橋はもう目にいっぱい涙をためてた。
「なに泣いてんだよ」
「う…」
すんって鼻すすって、シャツの袖でぐいって顔を拭くけど、ぼろぼろ溢れる涙はそんなんじゃ止まらないみたいだ。
「お前さぁ、なんで泣くほどイヤなのにオレの言うコト聞くわけ?」
ちょっと待ってみたけど、ただ泣くばっかで三橋は答えない。どーすっかな、オレの部屋連れてくかな。
「さっ、さっきの、ひとっ…とは…」
「あ?」
「さっきの人とはっ…ひっ、っく…きっ、キスする、んだ…」
「するよ、別にキスだけじゃねーし」
なんだよ、泣いてんのはソコかよ。
「なに?キスしてほしーの?」
三橋はそうだとも違うとも言わなかった。ただ、うぐうぐ泣きながら突っ立ってるだけだ。
してほしーならしてほしーって言えばいーじゃん。別に自分からしようとは思わないけど、三橋がしてくれって言うならしてもいーし。
「なんだよ、そんなんで泣くなよ」
肩つかんで顔を近づけたら三橋はイヤだって言うみてーに顔を背けた。
カチンとくる。お前がしてほしそーにしてっからしてやるって言ってんのになにその態度。
「い、イヤ、だっ」
「はぁ?」
「そっ…そんな、さっきの、人のっ、口紅、つけた口でっ…そんなのっ」
ああ、さっきのでオレの口にもついてたんだ。
手の甲でぐいって口元拭いてから、今度は逃げらんないように頭掴んでキスしてやった。