阿部高和「三橋、しっかりケツの穴しめとけよ」

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戦時ネタ注意 エロなし wikiおしりいつもありがとう
なんだかスイーツ(笑)になりそうな悪寒



しばらくの沈黙の後三橋はやっと口を開いた。
「オ…オレ気持ち悪いから」

そこで俺は悪い予感がしてこれ以上詮索するのはやめた。
ここで言われてしまっては困る。
うすうす気が付いている三橋が俺に抱く感情を。
「まあ、言いたくないならいいけどよ」
そう言ってゆっくりと俺から三橋の指を離した。
外の様子を確認する為に一旦外に出ようと壁によりかかりながら出口へと進むと
そこは嘘みたいに穏やかになっていた。

「三橋!外収まったみてーだぞ!」
手招きして呼ぶと嬉しそうに走ってくる。
「う…わ…」
収まったとは言っても景色は数時間前の鮮やかだった色を変え、灰色一色に染まっていた。
すべて焼きつくしたようなグレーの暗さに俺は眩暈を覚えた。

「阿部くんの家、大丈夫…かな」
嫌な想像を隣で形にされてしまってますます頭がグラグラする。
そうだ。あの家は。
親父と約束したあの家と、俺に死ぬなとすがって泣いた母さんは。
無事なんだろうか。
ドクドクと心臓の音だけが聞こえる。
「三橋…」
「早く帰ろう、三橋。頼むなるべく早く」