前回まではwiki参照
その日の夕飯は、またドッグフードだった。
動物が好みそうな生臭い強い匂いに、胃がムカついて、ほとんど食べられずにいた。
でも、それ以上のモノは与えられない。
弟は、コンビニで買ってきたお弁当をお箸で食べている。
まるで、人間と動物みたいに隔てられてるみたいで惨めだった。
お腹が鳴りそうなのを押さえて、じっとその食べているお弁当を見つめていると、ふと、弟が箸を止めた。
「さっき家の前でお兄ちゃんの友達に会ったよ。」
「え・・・。」
ドクン、と心臓が一際大きく跳ねる。
友達って、野球部の人たちの事だろうか。
9組には、田島君と泉君以外とは、あまり喋っていないから、多分そうなんだろう。
「今日休んだから、どうしたのかって。」
「だ、だ・・っ」
「三人も来てたよ。お兄ちゃん意外と友達いっぱいいるんだね。会いたい?」
弟は、手についた御飯粒をペロリと舐めながら言った。
突き出た舌が異常に長くて気味が悪い。
「あ 会いたい・・・。」
また首を絞められたりしないか怖かったけど、俺は勇気を振り絞ってそう言った。
弟の返答はとても意外なものだった。
「そう。明日またプリント持って来るって言ってたから、家に上がって貰ってもいいよ。」