阿部高和「三橋、しっかりケツの穴しめとけよ」

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22子宝飴
前回まではwiki参照


耐えらんねー。
オレはがばっと身を起こし、行き場を失っていた三橋の両手を取った。
はあ、と熱い息を吐く三橋に抵抗はない。オレはその手をオレのベルトに誘導した。
「!」
三橋の指がオレの熱くなってるとこに触れて、三橋の体が羞恥に跳ねる。
オレもかっと赤くなった。
「そっちじゃねェよ!」
「うっ、おっ」
「ベルト」
三橋の指を慎重にオレのベルトにかけさせる。不思議な顔をしている三橋の目を見つめ、オレは告げた。
「・・・ベルト、外して。オレもお前の外すから」


図書室がしんと静まった気がした。
カーテンから差し込む夕陽はまだ赤くて、広い図書室を染め上げる。
オレと三橋2人きり、こんなところで、こんな状況で、熱を帯びた息づかいだけが静かな部屋の中で響く。
一種の賭けだった。
線を越えるのか。三橋ではなく、オレはオレを試していた。
ここで三橋が絶対嫌だと抵抗したらオレは止まれるだろうか。止まってみせるつもりだった。三橋のために。
だけど、三橋がーーー


「オ、オレ」
オレがごくりと喉を鳴らすのと同時に、三橋の指に自分の意志がはいりこむ。
カチャッと金具が揺れる音がした。オレは信じられない思いでそれを見つめた。
「ハズ・・・ハズス」