阿部「三橋!今日は何の日か知ってるか?」

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パラレル注意 エロもなんもないから保管なし 我慢できない設定 

(今日のランチは…久しぶりにオムライスでも…ん?)
気が付くと社内のスイーツ軍が阿部係長を囲んでいた。きっとあれだ、阿部ブーム。
何故だか知らんが女はある個人のブームを作って一時的にその人物をはやし立てるというか、キャーキャーいって囲む。
男には理解しがたいものだ。
そのうちギラギラとした目をした女豹の群れから逃げるように係長が出てきて、
「中村、ランチ奢るから付き合え!」
と俺の腕を掴み、屋外へ連れ出された。こうなるのは予想の範囲内であり、1人暮らしの貧乏男にとっては食費が浮くラッキーであり。
とにかく奢りとなるとでっかいオムライスが食べたくなり、馴染みである近くの小さい洋食屋さんへ。
「いきなり、なんなんだ?あれ…」
「女はブーム作ってツマラン日常を打破するんですよ」
今日一日で憔悴しきった先輩は「なんだそれ…」と項垂れた。
「女のブームは短い命ですから暫くの我慢ですよ」
「女は扱い方が難しいから困る…廉の方が余程バカウザブサかわいくて…すげー癒される…」
最後惚気だよな。いいよなぁ所帯持ちは!ゲンナリする係長を横目に可愛いウェイトレス(56歳)によって運ばれた特盛オムライスを口へ運ぶ。
うめー!このしつこくないデミグラスソースに、程よく蕩けるタマゴの皮膜。
このときの俺の意識が、料理>>>>>(秘書課の可愛いあの子のスカートの中)>>>>阿部先輩となっていた事を悟られたのか、
阿部先輩が聞いてんのか!とさり気なく俺のオムライスを1スプーン分奪った。しかも一番タマゴがいい感じの美味しい部分をだ。
むっとした俺も真似して先輩のハヤシライスを掠め盗る。
「この前はごちそうさまでした」
「あぁ、悪かったな…3Pつき合わせて」
「ち、違いますよ!俺が言ってるのは奥さんの手料理で!」
隣で食事をしていたサラリーマンが目をぎょっとさせて俺たちを見ているじゃないか!勘弁してくれ!
「でも、よかっただろ?」
「まぁ…人妻の味…?よかったですけど」
ちょっと恥ずかしい言葉を言ってしまったかなと阿部先輩を見ると、案の定キモ!みたいな顔で俺を見ている。
元々万人を見下したような態度の人であるけど、コレに侮蔑の視線が加えられると結構きつい。
621:2007/12/13(木) 13:08:39
>>620

「手は出すなよ。床上手だからって」
「だしませんよ」
「そういえば、奥さんって家事も料理も出来るのにどうして実家暮らしなんですか?」
2人暮らしならやりたい放題だろうに。
「あぁ…最初は2人暮らししてたぞ。でもアイツの料理がクソまずくてな、オレ死にそうだったから実家に避難したんだ。」
先輩の答えに正直おどろいた。廉さんの料理は絶品とまでは行かないが、
平々凡々な味だったから、そこから死を見るほどのものなど想像できない。
しかしこのある意味神経質そうな男であろうから、実際ちょっと微妙なだけではないのか
「同棲とかはなかったからまずかったのかもしれない、結婚して実家に戻るまでの3ヶ月間オレは地獄を見た。」
以下、先輩の話は長いので要約させてもらう。
当初よく近所の迷惑顧みず先輩は裸でギター掻き鳴らし奥さん(裸エプロン)を酔わせて、
ベッド上での調理をしていたらしい。(このイミフな段階で俺はフェードアウトしたかった)
しかし実際の料理は2人とも悲惨なものであり、ウズラのタマゴ爆破事件をはじめ、
カレーの具皮付き事件、謎の野菜発火事件(小火騒ぎにまで発展)などがあったらしい。
ついには化学兵器に近いものを作り出し、大事件を起しそうになった事もあるとか。…さすがに化学兵器はねぇよwwwww
家事も掃除をすれば物を落として破壊、あと奥さんに非がないとはいえ下着が盗まれるは、
干している布団に猫の臭い付けされるわで大変だったそうだ
さすがにやばいと実家に逃げ込み、奥さんをお母さんの下で料理と家事が出来るよう教育してもらったらしい。
とんだ迷惑夫婦だ。聞いた後俺は得体の知れぬ疲労感に襲われた。
多分彼らにかき乱された周りの人間の苦労が見て取れた所為もあろう。(俺もそのうちの一人だし)
「かわいそうですね…」
「だろ?オレも大変だったんだからな…家帰って即効セックスしようと思ったら、家が爆心地みたいになっててさ…」
「いや、そうじゃないですよ…」
愚痴をこぼしながら残りのハヤシライスを掻き込む阿部先輩は何?という目でオレを見たが、
なんでもないですと茶を濁すようにオレも残りのオムライスを勢い良く口へ運んだ。
「でざ、最近アイツも家事になれて料理も食えるモンになったし、そろそろ家を出ようとおもうんだ」
不意を付く問題発言に俺は咽そうになった。彼らの犠牲者が新たに生まれそうな予感である。

おわり