腹減った…何もねえ
仕方がないからテーブルの上に1つだけ転がっていた蜜柑を腹の足しにと剥き始めた
中央に爪を立ててめくれ上がった皮を下方へ引き下ろすと
どこからともなく「あ…」という甘い声が聞こえ、
同時に白桃よりも白い2つの膨らみが蜜柑の皮の間からプリンと飛び出した
新種のミカンかと思いながらそのまま作業を進めたが
皮をピリピリと引き下ろすたびに「んぅ」「あぁ」「だ…だ、め」という変に艶めかしい声がする
さてすっかり剥き終わって花びら状に開かれた蜜柑の皮の上には
紅く染まった顔を両手の平に埋めた三橋が桃尻をこちらに向けた状態で
ぷるぷると震えながらうずくまっていた
「三橋…なんでこんなとこにいるんだ」