警察の聴取の仕方とかわからん。ここまで。
>>107 台詞だけ全部書いてあるからはやいんだ
>>103 廉を乗せた車は猛スピードを上げたままの状態で雪で滑り、正面から壁に衝突。廉は即死状態だったらしい。
そして、運転していたこの男は幸いにも…いや不幸にも頭を少々切っただけで済んだ。
遺体と対面後、警察署にておじさんと一緒に男に会った。(会ったといってもマジックミラーから見ているのであちらからオレを見える事はない。)
その男は心神耗弱状態で、わけのわからぬ言い訳を並べ、聴取している警察へ自分は悪くないと捲くし立てる。
握られた拳で机が叩かれるたび、書記の警官が男の方を振りむく。
「だから!僕の言うとおりに大人しく、してれば三橋君は死ななかったんだ!なのに、僕と居たくないって帰りたいって!」
「津村さん落ち着いてください」
「無理やり降りようとしなければ事故にならなかったし死ななかったんだ!オレだって痛い思いなんてしなかった!」
この男の話を聞いている間ずっとオレはイライラしていたが、その自分勝手な言い分についに堪忍袋の緒が切れ、
マジックミラーの部屋から飛び出て、隣の部屋に押しかけた。
「ふざけんな!廉を返せ!拉致されてどれだけ廉が怖い思いをしたか!どんだけ痛い思いして死んだか分かってんのか!!」
「阿部くん!」
「辞めたまえ君!」
続いて入ってきたおじさんと警察の人が気を立てて怒鳴るオレを後ろから押さえこむ。
オレの顔を見て、男は思い出したと呟くと不並びで不衛生そうな歯を見せてニタニタといやらしい笑みを浮かべた。
「君みたいな野蛮な人間と三橋くんが一緒だなんて、かわいそうだ三橋くん」
「てめぇ!」
おじさんたちを振り払って机の上に飛び乗り、男の頬へストレートを決める。初めて人を殴ったが、手が想像以上に痛い。
しかし、それでも足りぬともう一発振りかぶったところで再び警察に止められる。
憤りが空回りし、行き場を失う。オレを部屋から引きづり出したおじさんは涙を浮かべ「もういいよ、君はいけない」と首を振った。
あとあと栄口の友達で廉と同じ学部にいた田辺ってヤツから話を聞いたところ、津村は入学時か廉につきまとっていたらしい
最初に田辺たちのグループとかなり親しいとはいえないが結構一緒に行動することは多かったそうだ。
しかし津村に付きまとわれ始めると廉は自発的にグループから離れたらしい。心配した田辺たちはその事について廉に聞いても、アイツは話を濁して笑っていたとか。
津村は精神病院への送致が決定し、廉が亡き今、あのアザの事や真実の全てを知る事は叶わない。
オレに残ったのは燻ぶったままの廉への感情と廉が用意していただろうプレゼントのみだった。
アイツを生き返らせようと決意したのはそれから暫くしてからの事だ。
今までいた大学を辞めて、もっと上の大学に入りなおした。そして独学でアイツのために適う全てのモノを学び、今の地位を得た。
長い道程であった。周りの人間は良く頑張ったとオレを褒めるが、それは違う。
この道は途中に挫折も苦悶の文字も浮かぶこともない、ただただまっすぐな道だったのだ。