TDN「ﾄﾞｳｯﾄﾞｳｯ！」

ある日俺の家の郵便受けに小包が入っていた。
『当選おめでとうございます、かわいがってください』
懸賞など応募しただろうか？些か疑問ではあったが、宛名から俺であることには違いない
爆発物だったらいやだなぁと思いながらも、中に何があるか興味はある。
部屋に上がると、激しく鳴る心音を抑えて早速箱を開けてみた。
「あれ？」
中にあったのは普通の携帯ゲーム機DS（ドエス）だ。
すでにそれを持っている俺はなんだか落胆し、
「DSなんて１つで十分だっつーの。ヤフオクだしちまお」
と適当にベッドへ投げた。すると「わぁ!」と少年の驚くような声が聞こえ、
俺は思わずその声の方向であるベッドへ振り返った。しかし、ベッドには誰もいない。
それどころか今、部屋の中には俺しかいないはずだ。幽霊だろうか？
「あ、あの…俺さん？」
恐怖に固まる俺にくぐもった声が呼びかける
「だ、だれだ！どこにいる！」
「こ、ここですよ！ベッド」
え？ベッドにはDSしか…そこではじめて俺はDSの電源が付いている事に気づいた。
警戒しながらそれを手に取り、モニターをあけてみると…
画面には気弱そうな少年が映っていた。しかも裸だ。
何が嬉しくて男の裸など…と思ったが、違う違う。考えるところはソコじゃない。
俺は閉じかけていたDSを開き、再度少年を見つめる。
「は、はじめまして、電子ラブドールのレンと　いいます。」
それが俺達の出会いだった。

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