http://pie.bbspink.com/eromog2/kako/1196/11965/1196530869.html,620 時間潰しにアパートのまわりをぶらぶらして戻ると、トレンチコートを着た茶色い鳥の巣
頭の少年が突っ立っていた。
俺の姿が目に入ると、途端に挙動不審になったのが笑える。
「よぉ、レン、ちゃんと来たんだな」
レンは色白の顔をさっと青ざめさせた。
「あっ、あっ、あの、オレ、本当に お金持ってないんです、ごめん なさい…」
「いくらなら持ってるんだ?」
俺は猫なで声を出した。
レンは俺を見上げて、顔をくしゃりと歪ませた。
バッグの中をごそごそ探り、高そうな財布を取り出してそのまま俺に渡してくる。
俺は無言で札入れの方を開いてみた。
1万2千円。
「お前、なめてんのか」
声音に凄味を利かせると、レンはしゃくり上げ始めた。
「だ、だって、うち、お小遣いは、つ、使う分だけ しか、も、もらえないし…そのお金も、さ、
参考書買うからって、頼んで……」
「…これっぽっちじゃしょうがねえなあ、お前の恥ずかしい写真、家と学校に送りつけてや
るから楽しみにしてろよ」
「…それだけ は、やめて、ください…お願い します…オレ、他のことで、できることあっ
たら、何でも します……」
「何でもするってのは、殺されても文句は言えないってことだ、覚えときな」
俺はつい最近聞いたあの女のセリフを思い出して、せせら笑った。
レンが大きな目玉をまんまるにして後ずさったので、俺は舌打ちして細い手首をぐいと掴
んだ。
「お前なんか殺したって割に合わねえだろ、ヤクザの臓器売買じゃあるまいし」
「あの、オレ…」
レンはもう目に涙を浮かべていた。俺はこいつの泣き顔にたまらなく嗜虐心をそそられる。
裸に剥いて、アレを突っ込んで、もっと泣かせてやりたい。
「いいから、来い」
俺は2度と足を踏み入れないと決めたはずのアパートに、レンを引きずり込んだ。