俺「三橋は大切なものを盗んでいきました」

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40「のこされた、ことのは」
※エロなし注意 手紙は読めていないっす 今日はここまで
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1196501867/981

今になって酷く悲しくなってきた。
どうしてこんな風にタイミングが悪いんだろう。手紙、もう読めないかな?
謝りたいにも謝る事が出来ない、いない人には謝れないから。
そうだよな、オレがあんなヘマしなきゃ、阿部くんに嫌な思いをさせる事もなかったよな。
誰に相談しよう、一番事情を知っているのは・・・ううん、やっぱり駄目だ。
ベンチでバッドを選ぶ。泉くんがバッティングから抜けてこっちに駆けてきた。
「ひやあ、このバット、ひびが入っている臭いや、打った時の響きがワリーのよ 予備 予備 
お 三橋、戻ったか」
「う ん 絞られた よ」
「ま、イインジャネ、今迄のお前らしくなくて で、阿部は?」
「え 一緒にここに来た けど」
「おろ?」泉くんとオレは辺りを見回した。グラウンドの入り口ほど近い所で阿部くんは佇んでいた。
「おーい、阿部ぇ、何やっているんだよ、そんなところでボーっとしてんじゃねぇよ」
阿部くんは泉くんの声に気が付いた様だ。
「泉ぃー、でけー声出さねーでも聞えるし、ボーっともしてねえよ」
阿部くんはこちらにつかつかと歩いてきてベンチにドンと音を立てて座った。
「三橋も瞬時に消えやがって、くそっ」そう言い放つと
すぐさまバットを持って素振りの一群へ加わっていった。
「な、三橋、お前 頭はそんなにボコらなかったよな」泉くんは声を抑えていった。
「し、しない よ そそそそそそそんな」オレは変な汗が流れてくるのを感じた。
「だよなー、お前、顔とか殴ってなかったもんなー」泉くんは頭を掻きながらスイと立ち上がった。
オレ達は阿部くんのバッティングを暫く眺めてから素振りに加わった。