俺ら「投下こいこい!」

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201ビデオ
※ちょっと暴力あり注意

ある日、阿部くんからビデオテープを二本渡された。
一本は今度当たる対戦校の去年の試合の映像が映っていた。
俺はブンセキしようと一生懸命それを見た。
でも、何度も見ているうちに段々眠くなってきてしまって途中でビデオを止めた。
二本目のビデオにはタイトルがついてなった。
なんのビデオか気になって、俺はデッキにそれをセットした。
そこには・・・二本目のビデオには信じられない映像が映っていた。

「んぅっ・・あっ・・ふぅっ・・・阿部、君っ!」

ビデオから流れているのはよく知っている声だった。
自分の声だ。
俺が部室のロッカーに手を突いていて、後ろから俺の体を覆うようにして阿部君が立って腰を動かしている。
目隠しをされて、口にはハンカチを噛まされて、背中を縛られて泣いている。
「な、なに これ・・・。」
びっくりして消す事もできずに見つめていると、ビデオの中で俺が泣きながら阿部君に何かを言った。
その瞬間、阿部君の顔が歪んだ。
そして、後ろ向きになっている俺の体を前へ向かせると、腹を何度も蹴った。
顔を、頬を、何度も手で叩いた。
ビデオの中で、俺は苦しそうにうずくまって泣いている。
俺はショックだった。
阿部くんがこんな事をするなんて信じられない。
でもしばらくの間、バシッ、バシッ、っていう痛そうな音は静かなリビングルームに響き渡った。
どうして、こんなことを阿部くんが。
阿部くんは俺を憎んでいたのか。