叶「三橋、くっせえチンポだな!」

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962毛フェチ三橋
>>955乙乙。投下直前に寝てしまったために出勤前投下。
だいぶ間があいてしまったが、前回分はwiki参照でお願い


三橋視点

いつもの部室じゃなかった。教室のど真ん中、しかも授業中だった。
先生はよどみない英文を淡々と読み続け、俺以外のクラスの人たちも黙ってそれを聞いていたりノートをとっている。
なぜか阿部君が俺の席に座っていて、俺はその横でどうしたらいいか分からなくて立ちっぱなしだった。
先生に怒られる。みんなにヘンな目で見られてしまう。
そこ、おれの席だよ。阿部君、そこ俺の席。
肩を叩こうとしたら、ずるりと何かが落ちた。
真っ黒な、なんだ?
一瞬ゆらゆらと周りの景色が歪んで、そこはマウンドの上だった。
阿部君は俺と向かい合っていた。でも俺は声が出ない。びっくりしたのと怖いのがごっちゃになっている。
だって、阿部君の顔がなかった。のっぺらぼうだったんだ。つるりとなにもない肌色が目の前にあるだけなんだ。
「こんな俺でもいいか?」
いつもより優しい声なのに阿部君の声じゃないようで、俺は怖くて震えている。
「こんな俺でもいいか?」
まるで録音されたような声で同じ事を言う。
怖くて、どうしたらいいか分からなくて、俺は泣いてしまう。
阿部君がおばけになってしまった。俺の大事な人が、おかしくなってしまった。
どうしよう、俺、どうしたらいいんだ。
すると、阿部君は急に後ろを向いた。
違う、後ろを向いたんじゃない、こっちを見た。

こっちを見たんだ。

ずっと後ろ向きだったんだ。
顔だと思っていたのは、後頭部だった。つるんとした頭だったんだ。まるでお坊さんみたいにつるつるの、頭。
のっぺらぼうじゃない阿部君は真剣な顔をしてもう一度同じ事を言う。
「こんな俺でもいいか」と。