血や肉に還る
オレの大好きなお昼ご飯の時間だ。
屋上で、野球部の皆で集まってたべた。
予習 とか、昼寝とか、何人かは食べ終わってから下に降りていった。
オレはまだ 半分、食べてる。
弁当箱のパッキンを閉めながら、花井君がオレを見た。
「三橋は量食う割には、食うの自体は遅いよな」
手際よく布に弁当箱を包んで、座ってる横に置いた。
「良く 噛みなさいって、おかあさん が!」
オレはご飯と玉子焼きを口に入れたまま、花井君に言った。
口にモノが入ったまま、喋っちゃった。
行儀、悪いけど、仕方ない。
早く返事 しないと、花井君、イラつかせちゃう かもだもん。
「それに、よく噛むと ご飯甘くて、おいしっ」
オレはそう言った後に、手に持ったお弁当箱の方を向いた。
白いご飯をすくって口に入れて、それから、ちょっと迷ったけど
ウインナーを摘まんでご飯の入ってる口に入れた。
「そうなんだよな、コイツいつも最後まで食っててさあ」
オレの隣に座ってる泉君が、頬杖を付きながら 花井君に言った。
いつもの、呆れてる顔だ。