水谷「三橋〜ケーキのイチゴちょうだい♪」

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282fusianasan
「あっちむいてホイ」
三橋は俺の指差すほうを向く。なんでワンテンポずれてそうなるんだよ、バカじゃないの。
恥ずかしそうに困る顔を見ながら俺は言う。
「はいワンペナ。罰ゲームな。これ塗らせて」
そう言いながら妹からパチッてきた口紅を取り出す。オレンジがかった明るい赤色の。
「う、うぅう」
ハイともイヤとも言えないまま、俺にあごを取られてされるがままになってる。
本当にアホだ。怒ればいいのに。
適当に唇の上をなぞって着色した。ちょっと驚く。唇に色がつくだけで顔がハッキリしてる。
うざさやキモさは相変わらずだけど、化粧のマジックは確認できた。
「んじゃ、もっかい。じゃんけんホイ、あっちむいてホイ」
また。こいつわざとか。俺の指先目で追ってんのか。頭悪いんじゃないのマジで。
次は何をされるのか怖々俺をうかがってる。なんだよそのびくついた目つき。むかつく。
「ツーペナ。つかお前、あっちむいてホイのルール理解してんの?」
大袈裟に肩を揺らせて縮こまる三橋。なんだよこいつマジうぜえ。
「知って、る よッ。でも、その、えと・・・」
言い訳考えてから口開けよ。いらつく。ていうか、口紅のせいか普段より三割り増しでうざく感じる。
「まあいいよ。んじゃ質問に答えて。コレ、何に使うか分かる?」
ズボンの尻ポケットからビニール包装された正方形のあれを出す。今度こそ真っ赤になった三橋。
今の俺の顔は多分意地悪い相をしてる。いやらしいのほうがあってるかもしれない。
三橋の目がきょろきょろ泳いでる。口がぱくぱくしている。そこまで照れることないだろ。
「知ってんだろ。言えよ」
突き放すようにひと言。三橋の動きが止まる。下向いたまま耳まで赤くして「コンドームです」と呟いた。
なんなんだよ、なんでそんな初心な女学生みたいな反応なんだよ。煽ってんのか畜生。
とことんまで困らせてやろう。そう思って俺は続けた。ちんこも頭もたげて同意してる。
「おら、もっかいいくぞ。じゃんけんホイ、あっちむいてホイ、じゃんけんホイ・・・」
俺が三橋の指にひっかかるはずもなく、当たり前のように三度目の負け。潤んだ目が俺を見てる。
「最後は選ばせてやる。ゴム試着してオナニーか、尻の穴で使い心地試すか」
マンガのように首を横に振りまくり、しまいには涙流しだした。冗談言うなとか笑い飛ばすとかできねえのかよ。
逃げないなら逃げないでいいよ、もっとビビらせてやる。萎縮してる三橋の左肩に手をかけ、ゴムの袋を歯で破った。

番組の途中ですが、一部地域の皆様とはここでお別れです