三橋「阿部君(セフレとして)付き合ってくださいっ」

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489セクサロイド384
※人外パラレル注意・三橋のオナヌ見ちゃったの続き

「あ、あべくん…?」
戸惑いがちに部屋の中からか細い声が聞こえ、オレは股間が収まったのを確認してから、ゆっくりとドアを開いた。
ベッドサイドに座っている三橋は既にジャージを穿き、赤い顔をしながらもカーペットの上で平静を装っている。
オレも「今お風呂から出て、ちょっとスクワットしてきたんだぜ〜」という顔で平静を装い、ベッドに腰を掛ける。
しかし、意味ありげな無言の時間が流れ、堪りかねた三橋がどもりがちに
「あの…み、見てましたか?」
何故か敬語で問う。その瞳にうっすら涙を浮かべ、かなり恥ずかしいのだろう、オレの目を見ようとはしなかった。
平静を装って何をだ?なんて知らぬ振りをしようとした。だが、三橋の顔を見ると先ほどのいやらしい光景が
目に浮かんで、ついにやけてしまった。それを目にした三橋は体をビクッとさせる。隠していても仕方がない、白状しよう。
「ごめん…ちょっとだけ」そう言うと、やっぱり…と肩を落とし、背を丸めた。
出逢った当初はオレのチンコから精液を飲もうとしたくらいなのに…なんで今更…
そこで1つの憶測がよぎる。もしかして恥ずかしがっているのは“セクサロイドにとって自慰は恥という認識”があるのではないか
性処理のための存在であるセクサロイドが主人に求められず、不本意にも自慰に耽るのはプライドに関ってくるとか
一時的なマスターといえ、オレはセックスなどしなくとも餌をあげれば十分と思っていたが…抱いたらいいのか?でも、それは…
色々な思いが交錯する。物思いにうーんと唸っていると、赤い頬をしたまま三橋が真剣な顔をして、オレの方へ顔を向けた。
「あの、阿部くん…抱いてください…」
一瞬意味が分からなかった。え?抱っこ?幼稚な考えが浮かんだけど、すぐにその意味ではないことに気付き、
顔が熱くなるのを感じた。何をいきなり言うんだコイツは!からかうなよ!
そう思った。でも、コイツは冗談を言うようなタイプではない。
明らかに声が緊張しているのか震えていて、目は今にも零れ落ちそうなほどの涙をためていた。
「阿部くんにお昼、触られてから、エッチな事したくて、どうしようもなくて…糊じゃダメ、なんだ」
本来快感を求められる与える側である、セクサロイドのプライドを押しのけ、三橋は今オレに抱いてと乞う。
声も体も涙を震わせて、真剣な瞳はずっとオレを射るように向けたままだ。
ここで『わっほい!』とルパンダイブを決め込めるような性分だったなら楽だったろうに、
女々しいオレは感情に囚われて、三橋の願いに首を縦に振る事は出来なかった。
三橋の感情と俺の感情。未来と今。アンドロイドと人間。
抱いてしまったらきっと沢山の壁をぶち破って全て終わってしまうような気がした。本当は抱きたい。
だけど三橋とオレを隔てる壁をそう易々壊してなるものかと理性がそれを阻む。だから、オレは最善策を選んだ。
「セックスは出来ないけど…それに近い事ならできる…」
交わりたいという感情を抑えて、コレは三橋とオレの為の最善策なんだと言い聞かせた。