阿部「見ろよ三橋、朝日が昇る…」

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761fusianasan
海のそばにある新しくもない喫茶店のテラス
そこで俺はコーヒーを、三橋はジュースを飲みながら海を眺めていた
三橋の着ている白ワンピースのすそがふわふわと舞う
付き合って数年。もうそろそろいい頃だろう
俺はポケットから深い青色をしたケースを取り出しそっと三橋の左手を取った
薬指にゆっくりと指輪をはめていく。きっちり給料三か月分だ
三橋はきょとんとしている。そんな三橋の手を握り、俺は言った
「結婚、しよう」
突風が吹き、三橋の大きな麦藁帽子が飛ばされる。だけどそんなことお構い無しだ
一瞬固まった後、三橋はぽろぽろと涙を流した。初めて会ったときもそうだったな
俺はその涙をぬぐいながら思った