アベナス「秋は私のナスを三橋に銜えさせろ!」

このエントリーをはてなブックマークに追加
993fusianasan
そのサイトを知ったのは、偶然だった筈である。
携帯に無差別に送られてくる送り主不明のダイレクトメール。アドレスはそれに記載されていた。
『西浦で地域参加型の大イベント!』
確か、こんな誘い文句だった。
出会い系とは違うっぽいし、奇しくも現住所の所在地だ。ほんの話のネタ詮索程度にアドレスに飛んでみた。
それはどうやら、今週末にやるイベントの告知サイトらしく、ざっと見るだけで開催日時・場所について分かった。
しかし、概要はどこにも記載されていない。それらしきものと言えば、トップページの文句だけ。

――――――――――――――――――――
連帯感を持つことで地域のイメージアップに繋げませんか?
お隣さんと誘いあって是非参加してください。
貸切りのホールで一緒に汗を流しましょう。
退屈なんて絶対させません。
方法はいかなる手段も問いません。
第3ビルでお待ちしております。
――――――――――――――――――――

まったく意味分からん。でも、面白そうだと思った。興味本意だ。
ちょっと覗いてつまらなかったら帰ればいい。そう思ってその日、指定場所へと向かった。

「本当にヤッていいんだな?」
「ええ。元よりそのように告知したでしょうが」
「今日はオレ達と西浦の地域の皆さんとの親睦会です。あ、そこの獣は一度イかせたら、後は好きなようにしてもらって構いませんよ」
同じ年位の男二人が、何人もの男が群がった輪の中心を示す。
そこには目隠しされ猿ぐつわを噛まされ、全裸に剥かれた少年がパイプ椅子に拘束されていた。
男達の層はサラリーマン風の男から、オタクみたいな外見の奴まで様々。中には明らかにホームレスだと分かる装いの汚いオッサンまでいる。
そいつらは下卑た笑いを浮かべて少年を見下ろしていた。
俺がいる位置からじゃ良く見えなかったけど、少年が恐怖でカタカタと揺れる度、パイプ椅子が軋むのが聞こえる。
「じゃ、お言葉に甘えまして…。さっさとイかせておっ始めるとすっか」
先頭を仕切っていた男の呼び掛けに対し、周囲も拳を振り上げる。
その間も俺はわけがわからず、ただその場に呆然と立ち尽していた。