アベナス「秋は私のナスを三橋に銜えさせろ!」

このエントリーをはてなブックマークに追加
725俺猫
※捏造注意エロ無し注意猫攫い=阿部さん注意

俺は猫。名前は俺君って、猫攫いに付けられた。
名付け主のことは気に入らないけど、飯のたび、撫でられるたびに名前を呼ばれてたらそう悪い気はしない。
俺って現金、かな?

どんどん寒くなってきて、寝るときは毎晩のように廉の寝床へ潜り込むようになった。
一人で寝ると寒いけど、廉と一緒なら温かい。廉も喜んでくれてるみたいだし!
温かいんだけど、でも、今日はちょっと温かすぎるような気がする…。
なんだか廉の体が湿っぽい。ベッドの中も、俺の毛皮も湿気を吸っている。
どうしたんだろう。シーツから顔を出して廉を覗く。
額に汗を浮かべた廉が赤い顔でふうふう呻っていた。

あれ…、どうしたんだろう。近づいて廉のほっぺたを舐めてみる。
俺のざらざらした舌で舐めたら、普段なら笑いながら止めるはずなのに、呻ったままぴくりともしない。

どうしよう、どうしよう。廉が変だ。
宛もなく部屋を飛び出す。階下をのぞき込むと台所の灯りが付いていた。
中ではおばさんがなにやらしていた。廉のご飯を作ってたのかな。
おばさんの足下を鳴きながらぐるぐる回ってみる。
「あらぁ、おはよう俺君。今日はずいぶん早いのね」
飯のカリカリが入っている袋を手にするおばさん。
ちがう! いや飯も食べたいけど、今は廉の方が先だ!

廊下へ出て階段を一気に駆け上り、二階で振り返っておばさんを待つ。
「俺君どうしたの? そんなに早く走れないわぁ」

おばさんが階段を昇り終えるのを待って廉の部屋へ飛び込む。
勢いよくベッドへ飛び乗り、廉のそばでおばさんを待つ。