阿部「三橋!201は消してけよ!」

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616家庭の事情
200スレ突破おめでとう記念でやってまいりました。前の話はwikiでよろしく。

 今日は急きょ部活が無しになった。理由はよくわからない。大人の事情ってやつかな。
 そんなわけで、俺は今朝廉に頼まれたおつかいのうずらの卵を買って帰路についた。
 今夜はおでんだって言ってた。いいよなおでん。あったまるし、うまいしさ。
 おでんを食うと冬が来たなって感じがする。ちなみに俺はちくわぶが好きだな。

 日が高いうちに家に帰るのは久しぶりだった。
 親父が帰って来るまではけっこう時間があるから、その間に廉と一発。
 なんてことはないんだよな。そんなチープな想像に自分で苦笑い。
 
 廉にとって俺は大切な家族ではあっても、それ以上の存在には、どう頑張ってもなれないわけで。
 だけど俺もまだ若いしさ。
 これから先、親父から廉を奪うチャンスはまだまだあるって信じてるんだ。
 ほら、可能性は無限大ってやつだよ。

「ただいまーっと」
 家の扉を開けると、見知らぬ革靴が玄関に並んでいた。
 とりあえずスニーカーを脱いで家へ上がる。 
 お客かな?
 そう思いながら、リビングへ続く廊下を歩く俺の耳に、思わぬ廉の声が飛び込んできた。

「ぅ、あッ・・・・も、もう、やめて!」

 ただならぬ声に俺は体を固くする。ものすごく切羽詰った声だ。
 何だ? 何かあったのか!? 
 あわてて、リビングへ駆け込もうとしたが、廉の声に被さって他の男の声が聞こえて、足を止めた。

「まだまだですよ、三橋さん」
 落ち着きはらった男の声。その声にどこか聞き覚えがある気がした。
「や、やだ。・・・・もう、本当に、無理、だよ。シュンく、ん」