阿部「俺のチンコは200万馬力!!」

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126fusianasan
チームメイト(巣山と三橋)

「なあ、三橋って可愛いと思う?」
「……は?どうしたの急に」
俺の質問に、栄口は一拍置いて聞き返した。そりゃあ、そういう反応するよな普通。
「んー、なんとなく」
「可愛いかなぁ?田島と一緒に気の抜けるようなやりとりしてる時は、ちょっとは微笑ましいとは思うけど」
「うん」
「可愛いって言うのはちょっとちがくない?」
「だよなぁ」
分かってるんだそんな事。あいつは別に女みたいな顔してるワケじゃないし、自分の事オレって言うし、男だってこともちゃんと分かってる。
可愛いとか思う俺がどうかしてるんだ。黙った俺に栄口が少し声を落として聞いて来る。
「また中村がなんか言ってた?」
「いや、そうじゃないんだけど」
そうだ、言うの忘れてた。栄口だって心配してたみたいだし、内容はともかく断ったって事だけでも言っておいたほうがいいだろう。
「アレな、三橋、ちゃんと自分で断ったって」
「へえ?意外とちゃんとしてんのな」
「うん」
「良かったじゃん、俺たちが心配するまでも無かったね」
そう、その点に関しては良かったと思う。良くないのはそれがきっかけで、俺があいつの事を好きなんだって自覚してしまった事だ。
田島や阿部に対して羨ましいと思う自分がすごく嫌だった。好きって言えないのも、言って後悔すんのが怖いのも、全部自分のせいなのに。
あいつは俺に優しくされんのが一番嬉しいって、言ってくれた。それだけでもう十分じゃないかとも思う。
だって俺が勝手に好きになったわけで、それに対して見返りみたいなモンを期待してたわけじゃない。
それなのに、俺に優しくされるのが嬉しいって言われて、欲が出たんだ。
あいつの事喜ばしてやりてーとか、考えてる。あいつの為に俺ができる事ってなんだろう。