阿部「三橋、お前は一生俺のモノ」

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570普通の俺
んじゃ前に書いたやつの続き貼っとく
続き物は深夜にでも


バチャバチャもがいて暴れるばかりの三橋ときたら…見ちゃいられない。
栄口が手を引いて根気よく説明していたが、バタ足するのに膝を曲げ、
派手に水しぶきをあげるだけで前に進まない。
一生懸命なのは認めるが、一向に要領を得ないんだ。
「わはー!三橋、犬みてえ!」
田島が指差した先、顔だけを上げて必死に両手で水を掻くその姿は
言っちゃ悪いが不様である。

イライラが頂点に達したオレは、田島とじゃれる三橋の手を引いて
人気のない25mプールへ強制移動した―――― 。


「無駄に手足 動かすなっつの!力抜いてりゃ勝手に浮くんだから…」
「うう〜〜っ」
あっぷあっぷ、と息つぎをしようとするのに精一杯で、オレの言葉なんか
聞いてやしない。言葉で言っても伝わらないなら‥‥‥こうだ!
「うひぃっ!」
オレはリラックス出来るよう、三橋の脇腹を両手で摘んだら、
予想以上にビクンッて伸び上がるもんだから こっちもビビった。
「あばばばば… うぐぅ〜!」
三橋は落ち着くどろこか余計に手足の動きを大きくさせて、もはや犬掻きと
クロールと平泳ぎが混ざったような、めちゃくちゃな型で暴れ始めた。
「ちょ、落ち着け!ホラ、手掴まっ…」
オレの声はバチャバチャ煩い水しぶきの音にかき消され、三橋に届かない。
つーか聞く余裕もなさそうだ。