あの人は今的な蛇足部分だから今のうちに少し置いててから寝る 三橋出てない
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「ここで何があった…」
運動中によく世話になる部屋だ。
嗅ぎ慣れた薬品臭のする部屋で、三人は呆然と立ち尽くした。
ガラスの破片が暗い室内できらきら光っている。
窓に空いた穴から夜風が入り込んで一段と室内を冷たくしていた。
恐る恐る足を踏み入れた泉が、靴底に感じる感触に鬱陶しさを感じながら屈んだ。
体重が乗ってじゃりと音がする。
「…消火器……」
栄口、泉、西広の三人は、どこかでガラスの割れる音を聞いた。
そこを目指して教室を片っ端から調べて歩く事にした。
何故か一般クラスまで鍵が開かないようになっている事が多かったが、その場合は鍵を壊して進入した。
次の日確実に教師に怒られるだろう。
問題生徒の集まりだと言われ、休部になるかもしれない。
──などとは誰も口にしなかったし、全く考えなかった。
異常な世界に放り込まれたような彼らに、世間一般の、ごく普通の、次の日が来るのかも怪しい。
わけが判らなかったがこれだけは判る。
明日の心配よりも、今日の命の心配なのだった。
そして見つけた。あの音の原因。