http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1192849706/145 ※猫攫い=阿部です。エロ無し注意
俺は猫。まだ小さい。名前は俺君、こないだついたばっかりだ。
まだ薄暗い朝、廉と一緒に目覚める。廉が出かけるのを見送って、また寝る。
昼頃一旦目を覚まして、おばさんに飯を出してもらって寝る。
廉が帰ってくる頃に目を覚ます。寝てても足音でわかるんだ。
廉が起きていられる僅かの間、ちょこまかと廉にまとわりつく。
廉が眠る頃に一緒に寝て、また廉が出かけていくのを見送る。
猫は寝子、寝るのが仕事なのっていう母さんの言葉が痛いほどわ か る。
俺の生活を円グラフにしたらほとんどが廉、おじさんおばさんがちょこっと、
その他が見えるか見えないか、って感じだと思う。
俺にとっては廉が全てだった。
とんとんとんと、階段を昇る軽い足音で目が覚めた。
あ、廉が帰ってきた。今日はまだ明るいうちに帰ってきたな。
ん? でも、そのあとから聞き慣れない足音も近づいてくる。誰だろう?
とりあえず部屋の扉の前で廉を待ち受ける。
部屋に入ってきたのは廉と、−−いつぞやの猫攫いだった。
俺と目が合うなり眉をしかめる猫攫い。
じりじりと間合いを取る。廉に何か変な事したら…
「俺君」
俺たちの雰囲気を感じ取ったのか、廉のちょっと固い声が降ってきた。
そうだった。いつかは猫攫いの尻尾?を思いっきり引っ掻いて廉に怒鳴られた…。
廉のあんな声はもう聞きたくない。