マック店員
写真をここの住宅街にばらまくぞと脅され、また三橋はあの男の元へと向かう。
これで3回目のお宅訪問だ。
手にはビニール袋がある。その中身はマクドナルドの女性用の制服だ。
一週間前に異物を入れられた肛門が未だに痛い。傷こそつかなかったが、限界まで開かれたそこはいつまでも筋肉痛のような痛みを伴った。
両親に相談することも考えた。
しかし忙しい親たちに余計な心配をかけることは躊躇われる。
自分さえ我慢すれば、いつかこの男も飽きるだろうとどこか楽観視していた。
いつかがいつ訪れるのは分からないけれど、できれば自分の範囲で解決できることを望んでいた。
体にいたずらをされるだけで、それ以上の行為はされていない。
病院に行かなくてはいけないほどの怪我や暴力を受けているわけではない。
三橋は首筋に手を当ててぞくりと震える。
あの男は制服を着た三橋の体中を撫で回し、舐めて噛んだ。あまつさえ男の象徴である股間さえも何度も舐めしゃぶった。
下半身がじくじくと疼きだす。
感じやすい自分の体を呪うが、男の容赦ない快楽の責め苦に三橋はいつしかのめりこんでしまうのではないかと危惧する。
いやなはずなのに、気持ち悪いと感じているのに、体の至る所を舐められると喘ぐ声を抑えることができなくなる。
最後にいつも男は三橋の尻に性器を入れて射精した。
あんな場所を女の性器の代わりにして抜き差しをするのだ。吐き気とともに、それだけではない感覚で肛門がきゅううっと締まる。
太い指で感覚が鈍るまで慣らし、太く短い性器を入れられる。
でっぱったカリが肛門の入り口をぬぽぬぽと出入りすると、排泄したいような気持ちになる。
我慢するとさらにその気持ちは強くなり、限界までくると今度は前のほうが大きくなる。
射精をしたいのか、小便をしたいのか、排便をしたいのか分からない感覚のまま、三橋の上で男はハアハアと獣のような息遣いで腰を一心に動かす。
時には恋人にするように、唇を合わせたまま細かくピストンをする。
一番三橋が嫌悪する行為だ。レイプのようにされているほうがまだマシだと思うほど、それが嫌だった。
裏返しにされた蛙のように情けない格好でアナルセックスを強要され、しかもそれが合意かのようにキスをされる。
臭い唾液を流し込まれ、ぬるつく舌が三橋の口内をめちゃくちゃに犯す。
本当だったら、女の子とするつもりだったキス。
しかし自分が女扱いされ、着衣のままセックスをしている。
今日で最後にしよう、写真を全部渡してもらって処分しよう、と三橋は意を決して男の住むアパートのドアを小さく叩いた。