早朝──前日よりも寒さが一段と増し、庭に植えてある木々の枯葉は昨夜の雨で大分落ちていた。
まだ日が昇っていないこの時間に、修行僧である俺たちは起きなければならない。
俺はくるまっている奴を布団から引っ張り出し身支度を整えさせ、宿舎から本堂に皆を集め点呼の後、瞑想の準備を整える。
ここでは、瞑想は毎朝行われる儀式のようなもので一日の始まりには欠かせないのである。
全員で輪になって座り、隣の人と手を繋ぎ、まぶたを閉じる。
ゆっくり深呼吸をし、間を置いて再び深呼吸。以下これらの動作を繰り返す。
頭の中の煩悩を取り払い、邪な心を沈め、無にするのが瞑想の目的なのだ。
今日はいつもと違って、輪になった俺たちの中央に亀甲縛りにした全裸の三橋を正座させている。
尻に肥後ずいきを突っ込んだせいか、さっきから静かにするどころか悲鳴をあげている。
といっても瞑想の邪魔にならないよう、口には猿ぐつわをはめておいたからうめき声しか出ないけど。
しばらくして何かが床に倒れた音がしたので目を開けると、三橋が姿勢を崩して横になっていた。
あれほど強く言いつけたのに。これじゃあ仏像を壊したお仕置きにならないじゃないか。
すぐに叱りたかったけど、俺は熱を持った下半身がこれ以上興奮しないよう抑えるのに精一杯だった。
これが終わったら庭掃除の前に風呂場へ連れて行ってよだれや汗まみれの身体を清めなければ。
三橋をなだめて全身を、特に尻穴を洗おう。一人でやるにはけっこうきついけど仕方ない。俺は世話係だから。
最初は深く考えずに新入りの三橋の世話係を引き受けてしまったことに後悔した。
でも根気強く接していくうちに、オドオド病といわれていた三橋と俺はだんだん会話できるようになり、
今では深夜に俺の自慰を手伝ってくれるようにまで親しくなった。あいつは意外と舐めるのが上手なんだ。
三橋と意思疎通ができたのは嬉しいことなのだが、最近別の悩みが増えてしまった。
他の奴らも三橋の隣、いや、尻を狙っているのだ。
そんなことやってる暇があったら自分達の仕事をしっかりやれっての!
俺と同様に性欲真っ盛りのこいつらを相手にするのは少々厄介だが、俺にとってはいい刺激であるのもまた事実だ。
おかげで退屈だった規則正しい寺の生活が楽しいものとなったのだから。
寺で皆と、三橋と出会えて本当に良かった。
そんなことを考えながら、俺は床にうずくまっている三橋へ向けていた目を閉じ瞑想を続けたのだった。
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スレタイにちなんで寺ものを書いたつもりがちっとも花井らしくならなかった