三橋「将来僧になって結婚して欲しい」

水谷が手に持つ袋の中にはブラジャーが入っていた。
ピンク色でフリルがたくさんついている。
女の子が着るならとても可愛いのであろうそれを三橋に突き付ける。
「これ着てよ」
「いやだ！！」
即答かよ。水谷は眉をしかめた。
「三週間物のウンコぶっかけられんのと大人しくブラ付けんの、どっちがいい？
選んでよ」
さぁ、と三橋の顔から血の気が引く。
「嘘じゃないよー！
タッパーに入れて冷凍庫で凍らせてあるんだ」
「うぅ………」
嫌々といった感じで三橋はブラジャーを手に取った。
そして黙り込むとじっ、とブラジャーを見つめている。
「あああああ、あ、あの！」
「なに」
「こ、これ……」
ピラリと顔の前にブラジャーを広げて泣きべそをかく三橋は、心底恥ずかしそうに呟いた。
「こここここ・この！この乳パット……どどどどうやって着るんです、か？」
「…………………」
まさか自分も知らないとは言えなかった。
そういえばと水谷は思い出す。
ＡＶで見たのは大抵、男がブラをビリビリに引きちぎるシーンだ。