阿部「三橋、お前の穴は俺のもの」

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527fusianasan
田島の誕生日と聞いて。

「みはしーっ!」
たたた、と軽い足音が背後から近づいて来るのを聞いて三橋は足を止めた。
声の主である田島を振り返ると、いきなり飛びつくように首に腕を回される。
「う わっ」
「なーなー、今日ってすぐ帰んねーとダメ?」
三橋の顔を覗き込み、田島は満面の笑みを浮かべた。
「あ えっと 大丈夫 だけど」
練習も終わり、あとは着替えて帰るだけだ。特に用事があるわけでもない。
「じゃあさ、オレんちこねえ?」
「田島くん ち?」
「うん、今日オレの誕生日!お祝いしてくれるでしょ!」
「たっ 誕生日っ!」
三橋はびっくりして背筋を伸ばした。すっかり忘れてしまっていた。
自分の時はみんなに祝って貰っておいて、と申し訳ない気持ちになる。
「ごめん なさい オレ 知らなかった よ…」
眉を下げて三橋は俯いた。プレゼントも何も用意していない。おめでとうすら言っていなかった。
「あー、うん、おめでとーって言ってくれればそれでいいよ」
田島はぐいと三橋の腕を引いた。三橋をひっぱるようにして部室へと歩き始める。
「オレんち、来るよね?」
「うっ うんっ」
「やった!」
頷いた三橋に、田島は歯を見せて笑った。

田島の部屋へ通されて、三橋は落ち着き無く周囲を見回した。
てっきり野球部のみんなで、田島の家へ行くことになっているのかと思っていたが、呼ばれたのは三橋一人らしい。
プレゼントも何も用意していないのに、どうすればいいのだろうと考える。
「みっ みんな は?」
「ん?呼んでねーけど」