ほたるの続き。
三橋がこの先死にます警報のため苦手な俺はゲンミツにスクロール!
シュンに徴兵令がきた時には、母さんはわんわん泣いていた。
俺はシュンになぜだか申し訳なくて、その背中を見送る事ができなかった。
三橋のおじさん、つまり三橋の親父も先日敵地に送られたばかりだった。
おばさんは群馬に帰ってしまったが、なぜか三橋は西浦に残った。
三橋が言うには「せめてみんなを送ってから群馬に行きたい」との事だ。
そう言い切った三橋はの瞳には、涙一滴流れてはいなかった。
「そりゃいつかは死ぬかもだろ」
泣き声が一層でかくなる。こいつホントに俺と同じ歳なのか…?
俺の服のすそを三橋の左手がぎゅっと握る。まるですがりつくかのように。
「一人にしないで…」
つぶやくように、消えそうな、俺が耳をすまして聞かなければ流れていってしまうような声で。
それは願いのように思えた。
俺は三橋に必要にされているのか。必要としてくれているのか。
服の裾にある三橋の手を両手で握り、力強く握った。
「分かった、約束するよ。決してお前を残して死んだりしない」
そう言うと三橋はやっと顔を上げ、そのまま左右に頭を振り涙を振り払うと
やっとにっこりと俺の欲しかった表情で笑ったのだった。