阿部「三橋、オレはお前のこと好きだよ!」

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159fusianasan
*前スレでちょっと話題に出てた戦争ネタ。死ネタはないので安心してくれ。

帰ってきた日本は、俺の知る日本ではなかった。
戦地でばら撒かれたビラの「降伏セヨ」の二文字。
部隊の仲間は、俺を連れて行ってはくれなかった。
だから、俺は今廃兵として惨めに再度、日本の地を踏むこととなった。
一応怪我をしたので恩赦が出たが、それすらも尽き、行く当ても無い。家は戦火で燃えた。
騒がしいはずの闇市場の喧騒がよく聞こえない。ここまでか。遅れてすまない、みんな。今行くよ…
ふいに、俺の投げ出されたままの掌の上に温かな重みを感じる。
少し冷えてはいるが、握り飯だ。
薄目をやっとのことで眇めると、目には気弱そうな少年が映った。
「…あ、の、これ…食べてください、兵隊さ ん」
麦やら混ぜ物ばかりの握り飯であったが、今まで食べたどんなご馳走より旨かった。
「君の、名は?」
「…みはし、れん です」
握られた手は、暖かかった。何日も触れていない人の温かさに俺は泣いた。

この後廃兵俺と未亡人三橋の敗戦後の日本を舞台にした昼メロずんずんしてぇっ!を書こうと思ったが
どうしても乱歩の芋虫しか思いつかなかったので一☆部☆地☆域だぜ城之内くん!!