阿部「三橋!俺の子を生んでくれ!」

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366俺の子を生んでくれ
「三橋! 俺の子を生んでくれ!」

思わず口走ったのは、魔が差したというか、酔狂というか。
男の三橋に子供を生むことができないのは当たり前だ。
オレにだってわかっている。
ただやっぱりなんつうか、あれはその場の流れというか、ノリというか。
後の処理が面倒だとか体の面を心配したうえで、オレが自重しているというのに、三橋はそれでも中出しが好きだ。
突っ込んでる最中に三橋の意識が飛びそうになってるのは見ててもよくわかる。
こん時もも目付きがやばくて、でもだからって動きを止められるわけがなかった。
毎度のことと言えば毎度のことだ。
ただ、今まで言ったことないような台詞がオレの口から出ただけで。
よもやそれが別の形で現実になるとは、全く思いもしなかった。

「おい三橋ー、さっさと着替え終わらせ……って、あれ」
部室の中にあるはずの姿がなかった。
オレが飲み物を買いに部室棟傍の自販機まで行って帰ってくる間なんて、ほんの少しの時間でしかない。
その間に三橋が着替えを終えられるとはとても思えず、オレは首を傾げて部屋の中を見回した。
やっぱり、三橋の姿はどこにも見当たらない。
「三橋?」
オレの声に反応するように、足元に固まっていた服が動いた。
いや、正確には服の中から「そいつ」が顔を出した。
「ばぶー、ぶー」
いくら三橋が口下手だからってこれはない。
でも三橋の、油性マジックで書かれた1のユニフォームの下から出てきた「赤ん坊」は――
「ばぶー」
面影が明らかに見覚えのあるものだった。

今回は一部地ry