放課後、俺は誰も残っていない教室でぼうっと窓から校庭を眺めていた。
もう生徒のほとんどが帰りはじめている中、男の子たちが野球をしている。
いいな、楽しそう。
転校してから半月経つけど、俺はまだ友達ができないでいた。
「野球、したいな…」
ぽつりと呟くと、浜ちゃんやギシギシ荘のみんなのことを思い出して涙がでてきた。
言葉にしたことで今自分が一人ぼっちだと思い知らされる。
野球やりたいよ、みんなで野球やりたい。
泣いてたら強いおとこになれないって浜ちゃんが言ってた。
涙を止めようと服の袖でぬぐうけど、涙も鼻水も止まらなかった。
帰ろう。帰って的当て練習しよう。
俺がぐずぐずの顔のまま振り返ると、いつからいたのか、俺のすぐ後ろに先生が立っていた。
びっくりして俺が尻餅をつくと
先生はしゃがんで「三橋くん、どうしたの?」と言ってにっこり笑った。
続くか未定