1〜2((空白)、(幕間)の二人の一人称)
あるところに部屋を掃除できない三橋がいました。三橋はいつも誰かに呼び出され、精神及び肉体的凌辱を受けていました。
そして三橋は自分でも気付かない内に何故かキレイ好きになっていました。野球部員の中にはその変化に気付いている者もいて、三橋のことを心配しています。しかし、三橋は隠しごとが他人にバレるのを恐れ、他言にしようとはしませんでした。
唯一、同クラの田島にキレイ好き(潔癖症)であることを見破られましたが、やはり自ら境遇を話そうとはしません。
ところで、今の若い世代が同じ中学出身をオナチュウと呼ぶのを、オナニー中毒のことかと思ってびっくりしました。
田島以外にも三橋の異常に気付いた部員はいました。その部員は副主将であり、三橋のことを一人のチームメイトとして心配していました。
そんなある日、三橋に付き添って行った保健室で見た本が気になった副主将は、本を養護教諭の中村から借り、三橋が強迫性障害(潔癖症)ではないかと突き止めます。そして副主将は部員を一人を連れ、中村の元に相談に行きました。
一方、三橋の症状は悪化するばかり。ついにはキャッチボール中にマウンドで嘔吐し、昏倒する始末。三橋を救ってやる決意を再三にする副主将。
3(三人称)
ところが、翌日になって登校してきた三橋は、前日よりもぼろぼろの様子でした。耳につけているガーゼを気に懸けつつ、浜田が保健室へ連れていきます。そこではカウンセリングが行われました。
そこで中村が出した診断は統合失調症(旧称・分裂病)。授業が終り次第、病院に連れていくことを示唆するも、不審を抱いた阿部は反感を持ちます。
そして午後の部活。野球部員の間では三橋の話題で持ちきり。中でも水谷が提示した『三橋多重人格説』は、西広の多彩な知識も加わり、有力株になりました。
それをあまりよく思わない副主将両名は、反発します。
そんな時、タイミングよく現れた三橋は阿部に「何の話をしていた?」と執拗に詰め寄ります。
最初の内こそ宥めようとしていた阿部ですが、三橋の、心からの拒絶を受けてビンタ。両者共に深い痛手を追い、部室を後にしました。
部内が騒然となる中、ただ一人だけは別の考察をしていました。やがて、自分の中で一つの推理が組み上がると、副主将――栄口は駆け出したのでした。
さて、これから一体どうなることやらみたいな感じ。本編に続く。