阿部「三橋!カギはちゃんと締めろ」

このエントリーをはてなブックマークに追加
420大奥
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1192106923/l50/614
wikiマジ心配だ・・でももう寝なきゃ・・おやすみはし 

分厚い手紙の束には、焦ったような乱暴な字で色んなことがビッシリと書かれていた。
連絡が取れて嬉しいということ。驚いたこと。
どっちの店も相変わらず繁盛してるということ
そして後はほとんど、懐かしい思い出の話が書き連ねられていた。

そして、最後に一言、「会いたい」と。

三橋はそれを見て、手紙のやり取りをひどく後悔した。
余計会いたくてたまらなくなってしまうのを分かっていたのに,
なぜこんなことを頼んでしまったのだろう、と。
「オレも、会いたい、よ、修ちゃん・・・。」
独り言のようにそう呟くと、中村が困った顔をして頭を掻いた。
慌てて首を振り、そういうつもりで言ったのではないと言うと、分かってます、と笑われた。
「本当に、会わせて差し上げたいんですけど、
いつぞやの御台所のようになったら恐ろしいですからね。」
「いつぞやの、み、御台様・・?」
意味深な中村の発言に、耳が傾く。
御台所といえば将軍の正室だ。そんな人が一体何をしたというのだろう。
「いえ、今の代の御台様ではございません。もっとずっと昔の話です。
ある、将軍の寵愛を受けていない、孤独な御台所様が歌舞伎芝居を見に行った際、そこの役者と恋に落ちましてね。
とは言ったものの役者は男ですから、もちろん大奥には入れません。
御台所様も奥からは出られません。
そこで、長持ちの中に役者が隠れて、荷物に紛れて奥に入り、度々密会していたそうですよ。」
そこで、一端中村が話を止めた。三橋はゴクッと息を飲む。
御台所の話があまり他人事とは思えなかった。
現に自分もこうして叶と手紙のやり取りをしているのだから。
「そ、それで・・どうなった、の・・?二人は。」
「すぐに見つかって・・歌舞伎役者は殺されました。」