今日は医龍のセカンドシーズン観るのを楽しみにしてたんだ。
病院でもカード入れればTV観られるし、個室は静かだからゆっくり観られる。
そう思って俺は油断してたんだ。
だから若くて綺麗な自慢の母さんが
「文貴の好物、こっそり冷蔵庫に入れといたからね!」
ってウインクして帰った後うひょう!って叫んで踊り出しそうになった。
生クリームたっぷりのケーキが大好きだからさー、ドラマ観ながら食おうと思って楽しみにしといたんだ。
で、開始5分前に冷蔵庫を開けた訳で
「これなに」
紫色というよりは濃紺というか、黒。
緩いカーブを描いてぶっとくそそり立つ
ナス。
なんでナス。
俺のケーキはどこに行ったの?
「絶望した!!母親に絶望した!!!」
俺は泣いた。
でも泣いてもケーキはナスにならない。
だから俺は泣く泣くカードを入れてTVを付けた。
オハグロ・アサダ・ハダグロV世が難民キャンプから病院に戻ってくる第一話。
バチ☆スタのような格好いい手術シーンがまた見れるのかと思うと、俺は少しだけ気分が良くなった。
ブヅン!
「あれ…」
画面が真っ暗になる。次の瞬間、度数切れですとカードが機械から吐き出された。