昔々、ある所に俺之介という心優しい若者がいました。
俺之介はある時、犬の三橋が捨てられているところに出くわしました。
「よかったら、私のところにおいで。一緒に暮らそう」
俺之介の言葉に三橋は感激し、尻尾を振ってついていきました。
そうしてしばらく経ったある日のことです。
俺之介が畑仕事のために家を出ると、三橋が畑の真ん中で吼えておりました。
「三橋や、どうしたのだい?」
俺之介がたずねると、三橋は、
「こ、ここ掘れ、わんわん! だ、よー」
と答えました。
しかし察しの悪い俺之介は、一つ頷くと三橋を掘ってしまいました。
初めての快楽に打ち震える俺之介の吐息と三橋の悲鳴だけが、
いつまでもいつまでも響き渡りましたとさ。
めでたしめでたし
(めでたく終わる)