「これからお前は男と寝て暮らすことになる」
家が零落し、廉は見知らぬ男によって遊郭に売り飛ばされていた。
不慣れな遊郭住まい。女ではないのに強いられる屈辱。
店の姐さんたちには不器量といじめられ、廉を買ってくれる客は少ない。
花魁の部屋とは違う、粗末な部屋。薄汚れた天井と剥げかけた砂壁。
障子は穴が開いて、そこからぼっかりと月が見えた。
さっさと自分だけ満足して寝てしまった男は横でぐっすりと寝ている。
廉はこっそりと寝床を抜け出して、月明かりで自らの体を検分する。
先ほど男が強いた情交のせいで、赤く残るのは鬱血と縄の痕。
自分に与えられた赤襦袢は薄く、もうそれだけでは肌寒い夜の季節。
月をぼんやりと見つめ、廉は故郷を思い出す。そして、そこにいる思い人を。
女郎とか陰間茶屋とかよくわかんないので一部地域。