阿部「三橋、避難訓練時に大切な四文字は?」

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953俺とレンの新婚生活
>>895
一人で楽しくやってる中村とそれに一応付き合う俺を横目に見ながら、しばらくしてレンが席を立った。
「レン?」
「お オレ 向こう 行ってる ね」
「いいよ。ここにいて」
「でもっ・・・」
レンは中村を見て悩んでいるようだった。ああ、やっぱ連れて来るんじゃなかった。

中村はテレビを見ながら手酌で飲んでいる。俺はレンをキッチンの奥に連れて行ってもう一度謝った。
「ほんと、ごめんな」
「ううん・・・へい き だよ」
平気と言いながら段々レンの瞳に涙が溜まっているのがわかる。
「ごめん」
もう一度そう言ってレンの唇に俺の唇を重ねる。
「んっ・・・」
瞬間、瞳から1粒の涙がこぼれた。俺はそれをキスで拭う。
「すぐ帰らせるから」
「うっ ううん・・・大丈 夫・・・」
「夜、いっぱいいい事しような」
耳元で囁くと、レンはボッと顔を一瞬で赤くして下を向いた。
レンが俺の胸に顔を埋めてくる。レンのフワフワした頭を撫でる。
「あるぇ〜・・・せんぱーい?」
中村が俺がいないのに気づいたらしく、大声で呼んでいる。
「涙は止まったか?」
「う んっ」
俺はレンの手をひいて席に戻った。
「ラヴラヴっすねー」
「お前、KYって言葉知ってるか?」
「なんすかそれ」
酔っ払ってとぼけた顔をしながら全く空気を読まない中村に、なんだか呆れるのを通り越してどうでもよくなってきた。
とりあえず、中村の話には相槌をうつくらいは返してやってたが、俺はレンとテーブルの下で脚を絡ませて遊んでいた。
脚で合図したり手を握ったりしていると、レンはそれだけでも随分安心したようだった。