(省略)
そういう訳で、オレ達は山小屋を見つけてとりあえず一晩そこで明かすことになった。
山小屋はほったて小屋っていう感じで、毛布ぐらいしかなくて、とても寒かった。
吹雪で顔は雪だらけで、頭にも雪が積もっていた。
スキー板を外して部屋に入ると、オレ達は床の上にへたり込んだ。
「散々・・だったなー・・」
「うん・・。」
「でもさー、こういうのってちょっとワクワクしねー?」
「ばっか野郎!のんきな事言ってんじゃねーぞ!」
阿部君がすっごく怒ってる。
でも、オレもほんのちょっとだけワクワクしてるんだ。山小屋なんて初めて泊まるから。
でも、ちょっとでもそんな風に思ったことを後から後悔した。
数時間後。
「さ、寒い、ねっ」
「お、おう・・。」
震えて歯がカチカチ言う。寒い。毛布じゃとてもしのげなそうだ。
こんなに寒いとは思わなかった。自然と田島君の方へ体が寄ってしまう。
「うー、さみい。腹も減った。」
「うん・・。」
「ここの山小屋食い物とか置いてねーの?おい、クソレ、見てこいよ。」
「やだよー。」
オレもお腹空いた。でも、オレンジ色のランプで照らされた部屋の中には、多分食べ物の缶詰とかも置いていなそうだ。
もう、山小屋に着てからかなり時間が経ってると思う。
お昼ご飯もまだだったオレたちは、お腹が空いて死にそうだった。
みんな押し黙ったまま毛布にくるまってじっとしている。お腹が空いてイライラしてるみたい。
「もうガマンできねー。」
田島君が突然そう言って毛布から飛び出した。毛布が舞い上がって、冷たい空気が頬に当たる。
「三橋!おっぱい吸わせて!」