前回は里帰り。今回は俺の誕生日の巻。
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結婚して1ヶ月が過ぎた。その日、レンは朝からソワソワしていた。
「お 俺く ん 今日 何時に 帰って くる?」
「んー、何時かな。7時か8時くらいになると思う。なんで?」
「んっと な なんでも ない けど・・・」
なんか早く帰ってきてほしそうだな。
「なるべく早く帰るから」
「う うんっ」
俺はレンを抱きしめて家を出た。
出社するといつものように中村が絡んでくる。
「せーんぱいっ!お疲れっす!」
「おはよう。朝から相変わらず元気だな、お前。」
「またまたぁ。先輩も今日テンション高いんじゃないっすか?」
「なんで?」
「今日先輩誕生日じゃないっすか。忘れてたんですか?」
・・・そういえばそうだった。すっかり忘れてた。
ていうか、コイツなんでそんなこといちいち覚えてんだ。
「おめでとうございますっ。俺コーヒーくらいならご馳走しますから!」
「それはどうも。」
だから今日レンはソワソワしてたのかもな。
もう誕生日が嬉しい年齢じゃないが、レンのあの様子からして
俺の誕生日ってことを祝ってくれるんだよな。今日は早めに仕事切り上げて帰るか。