>>604 ぺロリと乳首を舐め取って、口に含む。
「いた…っ」
「え?」
歯は当たってないはずなのに、口に入れた途端三橋さんが反射みたいに言った。
三橋さんの体が小刻みに震え出してる。なんで?
「シュンくん、オ オレ、こわい、やっぱり…」
三橋さんがやっぱりやだと言い出す前に、俺は、好きですと言ってそれを防ぐ。
何度も、三橋さんが何か言う隙を与えないようにそれを繰り返して、兄ちゃんが付けた傷跡を舌でなぞった。
胸元をしつこく責めてたら、俺のおでこに三橋さんの暖かくて湿った吐息が時々かかった。
息を乱して、俺の下で段々と欲情していく三橋さんに俺も興奮していく。
好きです、と俺が言う度にきっと三橋さんの罪悪感が上塗りされていく。俺に従わざるをえなくなる。
それを思って、一瞬俺の体が重くなった気がした。
だけど、それを振り切るみたいに俺は三橋さんのベルトに手を掛ける。
焦ってうまくベルトが穴から外れない。ガチャガチャいう音が薄暗い玄関で響いた。
じれったい。俺は三橋さんの胸から離れて、両手を使って外しにかかろうとした。
が、その前に、三橋さんの指がベルトにかかった。
三橋さんの白い指が、自らベルトを外してズボンのボタンとチャックにも手をかける。
「三橋さん…?」
あんまり乗り気じゃなかったはずなのに、どうしたんだろう。
俺が戸惑ってると下半身を脱がせきった三橋さんの手が俺の手を掴んで、半勃ちしてる三橋さんの股間に導く。
ビックリしてる間に、今度は三橋さんは俺の口に吸い付いてきた。
ちゅくちゅく、唾液の音をいやらしく立てて、不器用に俺の口をねぶる。
俺も素直にそれに従って、舌の動きに合わせて、三橋さんの股間を押し付けるみたいにして上下しながら触れた。
「ん…っ、ふあ、ん、シュンくん…」
エロい声で俺の名前を呼びながら、俺の服に手を入れて肌を撫ぜる。
それから、ぐしゃぐしゃにしながらも必死で俺の服を脱がそうと手を動かした。
三橋さんの急な行動に驚いて、俺の頭は少し現実に追いつかない。
だって、今まで、兄ちゃんにバレる前、この関係がまだ二人だけのものだった時でさえ、三橋さんはいつもどこか受身だった。
時々、耐え切れなくなっておねだりみたいにしたことはあったけど、最初からこんな風にノリ気なことなんてなかった。
シュンくん、とまた呟いて、俺の下半身に顔をすり寄せる。
カチ、と三橋さんは歯で俺のジッパーを挟んで、親指と人差し指をボタンにかけた。なにコレ?俺の夢?