浜田「三橋ー、服作るからサイズ測らせてくれよ」

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何気なく耳に入ってきた天気予報に、俺は知らず眉をひそめた。
「…南方の海上で発生した大型台風は、進路を変え本州上陸の可能性が……」
日曜は練習試合だし、ひょっとしたら困ったことになるかもしれない。

今日は木曜日。いつものように朝練前のグラウンド整備をしていると、三橋がふらふら
やってきた。
「うっす」
「お、おはよう…」
「どうしたんだ、三橋、具合悪いのか?」
「…うぃぃぃっく!」
(しゃっくり?)
「…ゆうべからしゃっくり、止まんなくて」
「大丈夫かよ、冷たい水とか飲んでみた?」
「うん、お父さんとかに聞いていろいろやってみたけど、…っく、ダメ、だった」
ということは、あんまり寝てないのかな。しかし、しゃっくりってそんなに続くものなのか?
俺と三橋が話しているところに、田島と栄口がやって来た。
「はよっ、どーかしたのか」
「三橋がしゃっくり止まらないんだって」
「えー?マジで?」
「あ、おれよく効く止め方知ってるよ」
栄口が三橋に言った。
「三橋、大きい声で答えてね。豆腐はなにからできている?」
「え、えと、マメ!」
「…や、間違ってはいないんだけどさ、ここは大豆って言ってほしかったな」
「…ひいぃぃっくぅ…」
「これ、答えがわかっちゃうと効果ないんだ」
栄口が残念そうに言った。
そのすぐ後でモモカンが来たのでうやむやになってしまったけど、俺は三橋のことが
妙に気になった。