阿部「三橋!甲子園で穴掘りしようぜ!」

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731セクサロイド384
前のつづき
「で、なんでお前がいんの?」
グラウンドには何故か田島と泉・中村とはいしゃいでる三橋がいた。
家を出た時はキッチンをウロウロしていたはずなのに。
「阿部くんの、後付いていったら、いつの間にか、先、着いた!うへ」
うへ。じゃねーだろ。コッチ来い!と首根っこ捕まえて、強引に近くのベンチに座らせる。
オレはじろりとにらみながら傍らで着替えを始めた。三橋がビクビクして、控えめに俺を見上げている。
「どうしてオレについてくるんだよ。学校休みだろ」
「あの、昨日、みんなに迷惑かけたから…ごめんねを…」
「あー別に気にしなくても、オレがキチンと説明してやんのに」
「ううん。オレの、不始末だから!あ、あと、朝電話あって、田島くんも、来いよーって、言ってくれた!」
「田島?」
田島の方を見たら、視線に気づいたのかコチラまで歩み寄り、三橋の横に座る。
「なー阿部ー!こいつすげーんだぜ!投球マジスゲーの!」
「いきなり何?」
そりゃロボットだから制球や投球速度だって凄いだろうよ。他人には言えないけどな。
「スライダーとか球種も4つあるんだぜ!なー三橋!」
「ふーんすげーな」
そんなプログラムまで入っているのか。
まるで自分のことのように自慢する田島に、三橋はデレデレと顔を綻ばせている。
しかし、所有者の性欲を満たすための存在であるセクサロイドが球種まで覚えさせられているなんて、
未来のオレは何を考えて三橋を作ったのだろう。セクサロイド兼キャッチボール相手か?
そして…どうして、セクサロイドの開発などに携わっているのだ…
「なー三橋!うちの部に入れよ!今年で最後だし、ひと夏の思い出作ろうぜ!」
阿部も喜ぶぞー!
「はぁ?」
冗談だろ。アンドロイドが運動部に入るなんてルール違反どころじゃねぇ、
それ以前にオレの野球へのプライドと美学が許さん。
 しかも運動なんかさせて三橋が破損したら誰が修理するんだ。
「ううん、いいんだー。オレ、見てるのが好き」
「えー!なんでよー!」