※エロ無し注意。レスから展開拾わせていただきました。
部活帰りにみんなでコンビニに寄り道。街路樹が金色に輝き、日に日に寒さが増していく。
ぴゅう、と木枯らしが吹くたびに身を震わせる銀杏の葉が寒々しい。
今日は缶入り甘酒にした。ごくりと一口飲むとほのかな甘さがじんわりと染みていく。
汗で濡れ、冷えた体が芯から温まる味だ。
「あっ! またうまそーなの飲んでんな! ちょーだいちょーだい!」
たじま、君…。どうして最後の一口を飲んだタイミングで言うのかな…?
もう空だよ、と田島君の目前で缶を逆さにしてみせる。
「もう飲んじゃったのか? しょーがねーな」と呟くなり、田島君が近づいてくる。
まままた、キス…、されちゃう…。人前でそんなことしていいのかな…。
あわてて両手で口を塞ぐ。うっかり空き缶を落としちゃったけど、そんなの気にしていられない。
田島君は不思議そうな表情をしていたけれど、打席に向かう時みたいにニッと笑顔を見せた。
うりゃっ! と脇腹に田島君の手が伸び、わきわきと動き出した。
あばら骨の隙間や筋肉をなぞるように動く。体をよじっても逃れられない。
堪えきれずに口を覆っていた手で田島君の手を押さえたら、がら空きの唇にキスされた。
口の中に残ってたつぶつぶとした麹をお互いの舌で挟んで潰すように舌が絡む。
何か、ものすごくイケナイ事をしている気がして頭がクラクラする。
何秒間か何分間か、見当が付かないほどの間があって、田島君の唇が離れた。
「んー、甘酒味の三橋もいけんな!」
どん引きの空気が周囲に漂う中、水谷君がおそるおそる尋ねてきた。
「な、なあ田島、他には何味、食ったんだ?」
「ん? いろいろ。やっぱ三橋が一番うめーや!」