阿部「三橋、俺のデカマラ勝ってんぞ!」

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452スカルト(拉致監禁もの)
現時点で暴力、流血、スカ含+今後特殊プレイ系も入る予定の為注意。wikiには収録なし希望。

http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1191176303/215


目が覚めるのがこわい。その日三橋が見たのは、自分をベッドから引き剥がそうとものすごい力で引っ張る
力を相手に起きたくないんだと駄々を捏ね、必死にベッドにしがみついている夢だった。
硬く瞼を閉じていたので相手が誰だったのか、あるいは何だったのかは解らなかったが、何でもいいから
起きたくなかった。

…あ れ? 起きたくないってこと は、オレ、寝て る…?

よせばいいのにいつになく冴えた考えを起こし、そのことを三橋は一瞬後に後悔した。
ぱっちりと、現実世界で瞳が開いてしまったので。

「はぁ、…あ」

無意識のうちに溜め息が洩れた。夢から覚めても、布団から起き上がりたくないのは同じだった。
この狭いけれど温かい空間から出て、殆どがらんどうの真っ白い部屋が広がっていたら、そこには絶望しかない。

しかし再び目を瞑っても暗闇が身を包むばかりでどうにもならず、阿部君に怒鳴られないように
小さくなる時よりも身を丸め、解らない問題を先生に当てられないように気配を隠す時よりも息を潜め、
周囲に誰もいないのを三度ばかり確認し、だいじょうぶだいじょうぶ、だいじょう ぶ と口の中で
呟いてから、布団から静かに顔を覗かせた。

布団の外の様子は穏やかなものだった。部屋の中に時計はないので相変わらず今が何時なのかは、
何日なのかさえも解らなかったが、どうやら昼間の、昼は過ぎた午後のようだった。
ただ一つの窓からは涼やかな風が入り込み、白一色の室内を跳ねながら、三橋の色素の薄い髪をふうわりと撫でた。
ほう、と息を吐くと、断片的に記憶が湧き起こり、数珠のように繋がっていく。