阿部「三橋のキンタマは石鹸の香り」

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917fusianasan
>888 改行厳しいな。島崎が捏造だぜ。

「やめて、くださ、い お願いだから、それだけ は…」
語尾が掠れて聞き取れない。本当に、なんてコイツは分かりやすい奴なんだろうと思う。投手なのにこんなに顔色読まれていいのかよ。
今だって、阿部の名前を出しただけでそんなに動揺して。そんなことだから、自分みたいなのにつけこまれるんだと半ば呆れながら島崎は三橋を見下ろした。
「やめて欲しかったら…分かって、いるよな?」
三橋の目が大きく見開かれた。そこから威嚇するように目を離さずに、島崎は続ける。
「レン」
駄目押しみたいに強く名前を呼んでやると、コク、コク、と何度も無言で三橋が頷いた。
三橋の態度に逆らう意思が完全にない事を確信すると、島崎はほくそえみながら裸の肩にシャツをかけてやった。
動けない三橋の代わりに、ひとつひとつボタンをとめてやる。

玄関まで送り出してやった後、別れ際に島崎は言った。
「じゃあな、レン。気をつけて。また明日」
軽く三橋を引き寄せて、その額にちゅっと音を立てて口づける。
ふらふらと、おぼつかない足取りで去ってゆく三橋が自分を振り返ることは、なかった。
「迷子にならずに、ちゃんと戻って来いよ。レン」